Vol.043 「大人流。夏の終わりの楽しみ方」

下町・谷中で噺家さんたちとの交流を楽しんできました。

「第22回 圓朝まつり2006」
みんすま読者のみなさん、こんにちは、お元気ですか。小西です。
まだまだ暑いというのに、あっという間に8月が終わり今年も9月がやってきましたね。なんだか毎年、夏の終わりの時期というのは、さみしいような、でもちょっとは涼しくなって欲しいような…不思議な季節ですね。

さて僕は、夏真っ盛りの8月最初の日曜日、東京・下町は千駄木の「谷中全生庵」というお寺にて開催された、『圓朝まつり2006』に行って来ました。今や、ちょっとしたブームが訪れている、落語。ちょうど、この日は、三代目柳家三語楼さんが、六代目柳家小さんを襲名する襲名披露も兼ねていたこともあってか、数多くの噺家の方々と大勢のお客さんで大変な賑わいを見せていました。

この『圓朝まつり』(社団法人落語協会の主催)とは、もともとは江戸落語の立役者であった三遊亭圓朝師匠の命日8月11日に、墓所のある谷中の全生庵にて、「圓朝忌」として行われていた法要だったそうです。
それが時代を経て、圓朝師匠を偲びながら、噺家と落語ファンの集う年に一度のお祭り行事として開催される様になったそうです。ある意味『奉納落語』であるこのお祭りは、落語ファンにとっても現役の落語家さんたちにとっても、改めて落語を楽しむ、よい機会になっているように思いました。

そこで今回は、季節感を楽しめる落語の魅力をご紹介するべく、古典芸能で涼しくなる、大人の楽しみについてご紹介してみたいと思います。

幽霊画と怪談話で納涼のススメ。

六代目柳家小さん 襲名披露
金馬師匠の「住吉踊り」
『圓朝まつり』にゆかりが深い落語家・三遊亭圓朝は、江戸から明治初頭に活躍した落語家です。

彼は、「芝浜」や「死神」などの古典落語の名作を沢山残したと記されていますが、実は怪談話が得意で、「牡丹灯籠」や「四谷怪談」の作者としても有名。そして「幽霊画」の収集家としても著名だったそうです。

今年の8月31日までは、東京の台東区にある谷中全生庵にて、『圓朝コレクション幽霊画』展というものが開催されていたんですが、幽霊画を得意とする丸山応挙や歌川広重など有名画家による幽霊の絵が50点程展示されていて、なかなか涼しい光景でした。

画家たちによる幽霊の描き方やイメージの違い、あの両手を前にかざす幽霊独特のポーズの絵の再確認など、改めて幽霊について考えてみると、なかなか興味深いものがありました。なかには、足の描かれている珍しい幽霊画もあったりして…。

僕もそうですが、皆さんも本物の幽霊なんて見た事も無いですよね。えっ、見た事ある人もいるんでしょうか。小さな頃、親から聞いたイメージでは、随分と怖い思いもしましたが、大人になって名画としての幽霊画を鑑賞してみると、新たな発見が多数ありました。新たな幽霊像に触れてみて幽霊再確認…なんて、なかなか風流な夏の楽しみともいえるのではないでしょうか。

まだまだ暑い今年の夏。ホットな夏を一気に冷たくしてくれそうな幽霊画を楽しんでみたり、流行りの落語を見に寄席に足を運んで、怪談話で『背筋に涼をひとつ』、味わってみるのもいい感じ。芸術の秋の気配も感じながら、夏の終わりを満喫できますよ。

さて、このイベントが催されていた谷中には、「すし乃池」の向かい側に、銭湯「朝日湯」というのがあります。今の季節はそこでひとっ風呂浴びて汗を流し、路地を抜けて以前ご紹介した「谷中ぎんざ」を散策して、日暮里の「夕焼けだんだん」までの散歩なんかもオススメですよ。ここのだんだん階段の上から眺める夕焼けも最高に素敵なんです。

9月とはいっても、今年の夏はまだちょっと続きそうです。皆さんも素敵な夏の終わりをお過ごしくださいね。
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