艶やかな女優顔を作る“美人照明”

マリー・アントワネットの
美しさの秘密は・・・  

舞台は激動の18世紀フランス。

ヴェルサイユ宮殿の鏡の間で、きらびやかな輝き放つマリー・アントワネット。
その美しさを引き立てていたのもののひとつが、シャンデリアです。

電灯のなかった当時、光源となっていたのはキャンドルの炎。シェードなどで覆われていない、裸の炎から光を取っていました。炎の光は、光が点で発せられてキラキラと煌くのが特徴なのですが、こうしたキラキラした光は、女性の肌を美しく、そして艶やかに見せる効果があるんです。

貴族たちの社交が華やかだった時代、貴婦人たちを美しく見せるためのものとして、シャンデリアは重要な演出要素だったのです。

名女優がおひねりを渡して準備する
スタジオの“美人照明”

以前、あるベテランの舞台照明エンジニアの方から、昭和30年、40年代当時のスタジオ照明についてお話をうかがう機会がありました。

その方がおっしゃるには、ほとんどの大女優さんが必ずその方のところへやって来て、懐紙に包まれたおひねりを渡してきたのだとか。そのおひねりが意味しているのは、「私が美しく見えるいつもの照明をお願いするわ!」というメッセージだったのです。

するとその照明エンジニアの方は、その女優さんがどこから登場してどう動くのかを確認して、誰よりも美しくなる“美人照明”を組んであげたというのです。

それはその女優さんが登場する瞬間にのみ点灯し、観る者のすべてに「何と美しい」とため息をつかせる光。それはいったいどんな照明なのでしょうか?

“美人照明”のヒミツは45度!

照明技術のひとつに「モデリング効果」というテクニックがあります。

これは、彫刻などの立体物をより立体的に見せるための技術で、その基本は“立体物を美しく自然に見せるためには必ず斜め45度前方から光をあてる”というルールなのです。“美人照明”とは、まさにこのモデリング効果を応用した光だったのです。

自分自身を美しく見せたいと願ってやまなかった女優さんたちは、照明の力も熟知していました。だからこそスタジオの照明係をも取り込んで、自分を演出していたということになります。さすが、大女優とはしたたかに美を追求するものなのですね。

美しく見せる。これは極めて単純なことなのです。カメラを向いて、前方斜め45度から光があたるようセットするだけなのですから。それに加え、その光が上方斜め45度から照射されるように組まれていると、光源が一つであっても、とても自然な陰影を作り出して表情をやわらかくする“美人照明”が完成します。この光のなかでニッコリとほほ笑むことで、大女優たちはその地位を確固たるものへと築き上げていったのでしょう。

45度という光の角度にこだわることで、顔立ちがより立体的に演出されるというこの“美人照明”の原理は、私たちの生活にも応用ができそうですよね。

“美人照明”の取り入れ方

1.玄関に“美人照明”を作ってみよう

ご家庭に“美人照明”を取り入れるなら、おすすめしたいのは玄関です。帰宅してくる家族を迎え入れるその瞬間に「ママ、きれい!」だとか、「うちの奥さんはやっぱり一番!」などと思わせて、家族の心をガッチリとつかんでしまいましょう(笑)。

まずはご自身のお顔の右側と左側、どちらにより自信があるかを確認してみてください。右側だとしたら、玄関に立ったときにちょうど右斜め45度に光があたるよう、照明をセッティングしましょう。

できればシャンデリアのように複数の点光源(※1)が輝度(※2)を作っている照明器具が最適。複数の点光源は、肌につやをもたらし、目に輝きを与える効果があるのです。とはいえ、玄関にシャンデリアを吊るのが難しい場合もあると思います。その場合は代案として、ダウンライトの光源をクリアのランプに替えること、あるいは玄関にある靴箱や棚の上に、なるべくキラキラとした光を発する小さなスタンドを置くといったことがおすすめです。

2.肌の色を最も美しく見せる白熱灯を使う

顔の正面を起点にして、左右方向どちらかに45度、そこから上方向に45度の位置に光源をセットすると“美人照明”が完成します。
照明には「演色性」と呼ばれる指標があります。

これはそのものが持つ色をいかに忠実に再現できるかを表す数値なのですが、日本人の肌の色をもっとも美しく見せる演色性を持つのは白熱灯だということがわかっています。

電球色の蛍光灯よりも数倍お顔を美しく見せること請け合い。きっと女優さんも、照明の演色性についてしっかりと知っていたことでしょう。

“住まい”というステージで、今日からあなたを華やかなヒロインにしてしまう“美人照明”。女優さんの気分で、さっそく取り入れてみてはいかがですか?

※1 点光源・・・ある一点から放射される光で、キラキラとした輝きを感じさせるもの。
※2 輝度・・・光源自体の明るさや、照らされた面から反射される光の明るさ。
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コメント
1. | 投稿者: ねこ (2007年09月13日)

美人照明…
まさしく世の女性達が知りたがる情報ですね!
私も思わず食いついてしまいました(笑)

立ち位置によって見え方が変わったりするという原理が
とても面白いと思いました。
こういったお話…
是非ともどんどん紹介してほしいです!
私も…とりあえず小さなキラキラするライトから
始めてみます☆

2. | 投稿者: ゆみりん (2007年09月13日)

私も食いついてしまいました(笑)。
今の部屋はとてもシャンデリアにマッチする部屋ではありませんが、
でもなんとかしてシャンデリアをつけてみたいと思ってしまいました・・・。
45度。
なんとなく難しいですが、とりあえず斜め上から光をあててみることから始めます。

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