照明デザインの世界では、光を表現するための独特なボキャブラリーがあります。私たち照明デザイナーは、自分のイメージする光をまずは言葉を使って表現しなければなりません。
たとえば、「ふわふわと漂うような光」とか「大きく深呼吸するような光の変化」ときには「ニヒルな光」なんてことをいったりもするのです。ここには特別な用語ではなく、ごく普通の言葉が多く使われるのですが、光の文化を深めるためには「明るい・暗い」「きれい・可愛い」という表現を別の言葉に託してみることが必要だと思うのです。
「レンブラント効果」と「フェルメール効果」
17世紀に活躍したふたりのオランダ人画家、レンブラント・ファン・レイン(1606-1669)とヨハネス・フェルメール(1632-1675)は、光の効果を熟知した画家でした。
レンブラントの作品は、絵の中心を照らし出すことによって、その部分を強調するとともに、周囲の暗闇をも印象づけるという手法が特徴です。その明暗のコントラストは見るものをひきつける力強さをもっています。
これを舞台照明に応用したのが「レンブラント効果」という照明デザインです。暗闇の中の一点にスポットライトをあてることで、見る人を惹きつけるドラマチックな世界をつくり出すのです。
一方、フェルメールの絵画においては、光は横から差し込み、拡散しています。そこから生まれるのは、絵の中の奥行き感です。サイドからの柔らかな光によって自然な陰影が生まれ、静謐な雰囲気で満たされる。これが「フェルメール効果」です。
劇場的なレンブラントの光と、落ち着きを醸すフェルメールの光。
空間におよぼす効果は異なれど、光の濃淡、陰影、闇が、一枚の絵の世界をいっそう魅力的に見せているのです。
光のボキャブラリーを増やすために
日常会話に「照明ワード」を取り入れてみよう
このような、歴史的な有名絵画の画法を用いた表現は、照明ワードとして代表的なものですが、ほかにも光を表現する言葉はたくさんあるものです。
ここでは、そのなかのいくつかをご紹介したいと思います。
1.ブリリアント
これは非常に華やかな光で、小さな点光源が無数にあり、その密度が高い状態をいう。
たとえば街路樹に施されたクリスマスのイルミネーションのような照明の状態。
2.スパークル
朝露に太陽の光があたると一瞬、きらっと光り、
ハレーションを起こしたような少しだけまばゆい状態をいう。
3.グリッタリング
比較的高度が浅い太陽の光を浴びて、海面がきらきらと照り輝いている様子のことで、船乗りからはまぶしく視界不良な状態だと嫌われることが多い。しかし、陸上から見ると波によるキラメキがうっとりとするほど美しいと感じる。
4.グロウ
雲に隠れた太陽のようなぼんやりした光のことで、たとえば、ガラスブロックを通して見る、
ボーッとしたあかりを表すときに使われる。光が空間に溜まった状態。
このように、照明デザイナーは照明の状態によってさまざまな言葉を使いわけています。
おいしい光のある生活を深〜く楽しみたいという方は、こうしたボキャブラリーを使って「照明会話」に親しんでみるのもいいかもしれませんね。
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三井の住まいへ
東海林さん、お久しぶりです。
「照明ワード」ですか。
確かに、明るいとか暗いとか、
ワンパターンな言葉で済ませるにはもったいないですよね!
ちなみに、東海林さんがよく使う
「照明ワード」は何ですか??