愛用品はLetts社の手帳

愛用しているLetts社の手帳。見開きページでは、1ヶ月分の細かいスケジュールが書き込めるようになっている。
株式会社平和堂 (外部サイト)
手帳売り場を見るのが楽しみ、といっても、私が自分用に購入する手帳は毎年決まっているのです。
それはイギリスLetts社の縦長・手のひらサイズの手帳で、色は必ずミッドナイトブルーのものを選んでいます。
この手帳にもさまざまな種類があるのですが、私が実際に使っているものは、見開きページに1ヶ月分の日数が縦に並んでいて、横1行に1日分の予定を書き込めるようになっています。スリムで持ち運びにも便利なので、気がつけば、なんと20年近く同じLetts社の手帳を使い続けていました。
照明デザイナーのゴールデンタイム
さて、ふと思い立って今まで使ってきた手帳を事務所で探してみると、1998年から昨年までの、合計10冊のLetts社の手帳が見つかりました。過去の手帳を開くと、大半の予定が夕方4時ごろから7時ごろまでのおおよそ3時間、そう、ブルーモーメントの時間帯にかけて詰まっていることがわかります。しかしこれは私だけでなく、光に携わる人のスケジュールというのはたいてい、このブルーモーメントの時間帯にかけて忙しくなる傾向があるのです。
その仕事の内容としては・・・
例えば、「和紙を挟んだガラスから光が漏れるようにしたい」というような光のアイデアを建築現場で実際に試したりしています。なぜなら、建築現場だとまだ屋根がない場合が多く、昼間に行っても照明の雰囲気を正しくつかめないため、日没後に合わせて行う必要があるのです。また、クライアントに今まで手掛けたライティングデザインを見てもらうために、照明が美しく見える時間に合わせて現地へ案内することもあります。これは、実例写真を見せただけではイメージが伝わりにくいので、直接現地の様子を見てもらうようにしているのです。
こうした理由から、私たち照明デザイナーの活動フィールドは太陽の光のない、夜の暗さが重要なのだということがわかります。
そこで、手帳から見えてきた光のソムリエ、東海林弘靖の仕事術をまとめてみました。
ONとOFの切り替えなんてしない!
私の手帳には、いわゆるアフター5やアフター7という時間は存在しません。
もちろん、先ほどご紹介したような仕事があることも理由のひとつですし、夕方6時ごろから実験を兼ねた打ち合わせがあった場合、8時を過ぎるころになるとお腹も空いてくるので、「何かつまみながら、ワインでも開けましょうか」という流れになります。お酒を楽しむのも仕事の延長線上であり、また、こうした会話から光のアイデアが生まれることもあるのです。
趣味は「仕事」ですみません!
夜に集中して予定が入るというと、仕事自体のスタートが遅いのでは、と思われることもありますが、そんなことはありません。なぜなら私は24時間、いつでも光のことを考えてワクワクしているからです。こう書くと無趣味の仕事人間というレッテルを貼られてしまいそうですが、そもそも好きなことを仕事にしているので、私の場合、趣味と仕事は同列にあるんです。
会社から自宅へ戻った夜中の2時過ぎに、ふと「こんなことをしたら面白そう」と光のアイデアを思いついてメモを取ったり、翌朝にスタッフと話し合ったり、実際に光のアイデアを試しながらドキドキしたり、あるいは「できた!」と達成感に浸ってみたり…。今までこのくり返しでやってきました。もしかすると、そんなふうにして光と出会う瞬間が楽しいから、この仕事を選んでいるのかもしれませんね。
仕事をもっと楽しむために
お仕着せでない自分なりの仕事術を見つけよう

今まで使ってきた10冊の手帳。開いてみると、改めて自分の仕事術について考えるきっかけにもなる。
光のソムリエの仕事術はいかがでしたか?
今まで使ってきた10冊のスケジュール手帳を見て、思うことがあります。手帳の書き方指南やスケジュールの管理法といった書籍がベストセラーとなる昨今、 早朝から仕事を始めればいい、午後5時以降は仕事を入れないようにする、会議はランチミーティングがベスト・・・。など、仕事の仕方さえマニュアル化されてしまっています。
もちろん、今回ご紹介した仕事術は、あくまでも私のやり方であって、すべての人に適用するものではありません。ただ、自分なりの仕事術を考える上で大切にしていただきたいのは「仕事を楽しむこと」。仕事が楽しいと、人生まで楽しいと感じられるのではないかと思うのです。お気に入りの手帳というのは、そんな人生を楽しむための大切なアイテムなのかもしれません。
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