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2008年3月10日
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暮らすマチ・京都との出会いふたたび
まだまだ寒さは残りますが、午後の日差しに春の匂いが感じられる頃になりました。こんにちは、ポーレンです。
今回は「愛すべき街の看板」シリーズにかえて、「みんなの住まい(37sumai)」Vol.37記念特集のテーマ「出逢い」をお題に書かせていただきますね。


大学生になった時に、育ったマチを巣立ってからおよそ20年(歳は計算しないように!笑)、マチ、人、そして住まい、ずいぶんとたくさんの出逢いがありました。その中で、今も心の大きな部分を占めているのが、「京都」というマチとの「二度の出逢い」です。
もともと京都は縁もゆかりも興味もない(笑)土地でした。大阪の大学を出る時に、大阪で就職を希望しつつ京都でも就活をしていたところ、採用が決まったのが京都の会社でした。あぁちょっと残念、と思いながら京都で暮らしはじめたのですが、マチの空気とともに、何とも居心地いい暮らしよさがだんだんと身に馴染んできました。
この心地よさは何だろう?自転車で回れる小さなマチの中に都市機能も何でも揃っているから?三方に山、真ん中に鴨川、いつも穏やかな自然の風景があるから?条例で建物がみんな低くて、昔ながらの町家や小路の風情が残っているから?……そのどれもが当たっているようで、でもそれだけではない気がするし。ゆったり時間が流れているといわれてもピンとこない。そのまま長らく、つい3年前まで京都で暮らし、沢山の友人やお仕事仲間とともにすっかり自分のホームタウンに。その間、いわゆる観光地に関心は向かず、東京から訪れる友達に案内を頼まれてはぽつぽつと赴くくらい。本屋さんで見る京都特集の雑誌も開いたことがありません。どうして京都がこんなに人気があるのかも全然わからなくて。自分に感じられるのは、ただ暮らすマチとしての心地よさだけだったんですね。
東京と京都の両方に住まいを持つ友達に「京都のどこがいいの?」と尋ねた時の、「京都はね、都なのよ」という言葉もチンプンカンプン。都といわれると雅やかなイメージがして、そんなのがいいのかね、と首をかしげていました。

そしてお仕事の関係で、離れがたい京都をあとにして東京へ。3年が経った今、ようやく京都のマチの姿が見えてきたんです。友達が言った「都」という意味もわかりました。私が暮らしながら見ていた京都、それは観光地でも町家でもなく、マチのすべての「淡々」とした暮らし。小商いも昔ながらにマチの人々とともに。百貨店の脇の小路では今でも上賀茂の農家のおばあさんが野菜の振り売り、冬には毎年すぐき売り。京都ブランドなど関係なくそれが当たり前。学生たちとご老人は「閑暇」な午後を喫茶店でいつまでも過ごし、三条の「イノダコーヒー本店」には朝も昼間も毎日新聞をひろげおしゃべりに興じる、常連のリタイヤおじさんがいっぱい。用がなくても昼間から本片手に大手を振ってぶらぶらしていてもいいマチっていうのでしょうか、こんなの東京では許されないなぁ(笑)。うまく言えないんですが、働いている人にもこの空気はやわらかいわけです。山や川や畑が周りにあっても田舎でないところ、「閑暇」な時を自然に過ごせる懐の深さ。これが現代にあって「都」といえるところなんだな。京都のマチは、かつての都の歴史を背景にしてはいるけれど、社寺史跡や雅びなんかでない、暮らしそのものが文化なんだなと、離れて暮らしてはじめてわかった気がします。
これが京都との二回目の出逢いです。

今でも京都に帰ると心底ホッ。実家のマチより愛着があって、まさに第二の故郷。終の住まいはきっと京都にと決めています。はじめは偶然から、まさか自分にとって京都がこんなに特別なマチになるとは……やっぱりご縁があったんだなと不思議な気がします。
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