創り手の目線から 三井の住まいづくりのこだわりブログ。コメントお待ちしています。 「みんなの住まい」メールマガジンのご案内
夕暮れに落ち着いた佇まいを見せるエントランス
人に感動を与える建築物を
【語り】三井不動産レジデンシャル株式会社 担当:加藤氏
昔ながらの静かな住宅街と個性あふれる独自の文化。JR中央線の“西荻窪”は東京・杉並区にあり、表情豊かでユニークな街として、その名が知られています。
このように独自性の高い街に誕生した集合住宅「パークホームズ西荻窪」は、いかに街並みにとけ込みながら、いかに住み手にとって付加価値を与えられるかが大きなテーマ。そのために、和と洋、あるいは新と旧というように設計段階からのプランニングにおいてさまざまな仕掛けがなされたそうです。そんな「パークホームズ西荻窪」の仕掛けとこだわりを聞いてみました。
「パークホームズ西荻窪」のコンセプトが『ジャパニーズモダン』に決まった理由と、そのコンセプトを具現化するために何がキーポイントとなったのかをお話ください。
加藤 氏
集合住宅を含めた建築にとって、まず大事なのはロケーションだと考えています。土地には長い時間を経てきた力があるので、まず街を歩き、イメージをふくらませることから始めました。すると予定地は新興住宅街ではなく昔からの住宅が建ち並ぶ街で、歴史を重ねた街独特の佇まいがありました。そこで和のイメージで落ち着いた感じを出そうと思いました。しかし単に和風を強調したマンションではキッチュになりすぎる。どちらかというと今の時代に合ったモダンなイメージのほうが街にも合うのではと思い『ジャパニーズモダン』というコンセプトを決めました。和と洋、あるいは新しいものと旧きよきものを融合し受け入れてくれる街だと思ったのです。
コンセプトの実現にあたっては、細部の素材や色にも徹底的にこだわりました。建築はディテールがいくつも積み重なってはじめて感動できる空間ができあがると思っていたからです。
ですから、たとえばテラスの手すり。ここはコンセプトやぬくもりを考えると本当は木製にしたかったんです。しかし木製だと入居後のメンテナンスが大変になるという問題がありました。そこで、まず型を木で作りアルミを流し込む鋳物を採用することにしました。自然素材のように見える塗装を施すことでアルミの手すりなのに木目があるように仕上がりました。日本的なデザインのイメージにもよく合い、ぬくもりも感じるものになったと思います。
建物南側、どの住戸にも明るい日差しが降り注ぐ
他にも何かディテールにこだわった部分はありますか?
加藤 氏
最も印象に残っているのがエントランスに用いたタイルです。普通、タイルはカタログにある物から選ぶのですが、どうもイメージに合う物がありませんでした。そんな時、岐阜にある窯元の協同組合と提携しているタイルコーディネーターさんを紹介されました。色や質感など細かい要望にも応えてくれるうえに、釉薬(ゆうやく)の調合から微調整して新しい提案をしてくれるほどの技術がありました。そして試行錯誤のかいあって、ようやくイメージ通りのタイルを手にいれることができました。その時に、よい建物ができ、納得のいくものになると思うことができました。
そこまでコンセプト、イメージの具現化に執着されていたとは驚きです。
加藤 氏
そうですね。「パークホームズ西荻窪」はエントランスを入ると中庭が目の前に開けている部分もご好評いただいてます。たとえば、普通に考えるとヨーロッパの建物のようにコンクリートで石造りに似せた柱と屋根で作ったコリドー(※1)があって花が植えてある、そして中庭はどちらかというとイングリッシュガーデンのようなタイプが多かったと思います。しかし、「パークホームズ西荻窪」ではエントランスに入って立った時、正面の視界が気持ちよく抜けて見えるようにしたかった。そこでコリドーは金属で軽やかに作りました。支柱は極力少なくし、屋根はフラットなルーフにすることにしました。また、エントランスホールから中庭を望むところはガラスです。しかも、そのガラスを支える部分には通常サッシを用いるのですが、サッシがあると中庭への景観を遮るので、できるだけ使わずにガラスの方立(※2)でガラス面を支えるようにしています。とにかく視界を遮断するものはなるべく取り除くような意識で考えました。
エントランスの扉が開くとそのむこうは視界を遮るものなく中庭の景観が広がっている。

※1:コリドー/回廊 ※2:方立<ほうだて> 扉口の脇にたてる小柱もしくは板。扉口によって途切れる壁面の端部を固定するとともに、すき間をふさぐ機能をもつ。
その中庭自体も、ちょっと珍しいつくりとのことですが?
加藤 氏
配棟計画的にも建物に囲まれるようにして中庭を置き、守られているような安心感を演出しています。入口で外界をシャットアウトし、中に入ると包まれるような気分になり、眼前いっぱいに中庭がサーっと広がる。そこで感動してもらえるように工夫しました。
その中庭は“能舞台”をイメージしてデザインしています。単なる庭というよりは、ひとつのステージ。舞台のような印象を受ける感じです。周囲の植栽も自然にあるがままの姿というよりは、木の数を絞って高さを揃える方向で配置してあります。それは結果的に舞台上で樹木という自然が演技しているような雰囲気がだせたのではないかと思っています。
建設期間中、まだエントランスが完成していない時、道行く人が中庭を見て立ち止まってくれていたのが印象的でした。
シンプルでありながら、住まう人たちだけの誇りある空間として存在感を持つ中庭
「パークホームズ西荻窪」は既存の街に新たに作った集合住宅。最後に「古くからある街に新しいものを作る」うえで最も大切なことを教えてください。
加藤 氏
住まわれる方はもちろん、昔からその街に住んでいる人にも愛され、街の価値を上げられるような建築であることが第一ではないでしょうか。
デザインでいえば奇抜すぎず普通すぎず。そのバランスを考えながら、いかに付加価値をつけることができるかが重要だと思います。日本や外国の様々な建築を見てまわる中で感じたのですが、建築には人を感動させる力があります。創り手のこだわりや仕掛けに気づいてもらえなくてもいいのです。住まわれる方に好きになってもらえる空間があって、住んでいること自体を喜びにしてもらえる。今後もそんな住宅を作り続けていきたいです。
高いデザイン性や個性を放ちながらも周囲の街並みと調和する「和」の風情を醸し出している
創り手のこだわりや仕掛けを販売段階の広告だけで理解するのはなかなか難しい側面があります。何よりも出来上がった建築物そのものの力に勝るものはないからなのかもしれません。そこに住んだ人々が何かの感動を得る、それが誇りとなる、そんな住まいをずっと追い続けているといえるでしょう。
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コメント 一覧

荻窪は中央線に位置し、生活しやすい環境に恵まれた楽しい町です 住環境が良いことが一番大事なことだと思います


投稿者: モモコ (2005年11月15日)
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